第30回オレンジサイクルフェスタ

ロードレース編

ことの始まりは2ヶ月くらい前の電話。GWの予定を聞くそれは、いつしかGWに行われるレースへの参加への打診となり、自転車のみのレースを体験したことのない私にとっても、魅力的な提案だったので二つ返事で参加を決めた。

自転車のみのレースは初めてだったので練習をしたかというと、天候やら、他の予定や、はたまたそれより近々のマラソンの練習などが重なり、レース前に自転車に乗ったのは2回かなというお寒い状況で袋井に乗り込んだ。

4月30日金曜日。レース2日前。『メッセンジャー』を観てイメージトレーニングというか、気分を盛り上げる。
5月1日土曜日。レースの前日、私を誘ってくれた人と袋井の河川敷を1時間ほど走る。その後、『茄子〜アンダルシアの風』を観てイメージトレーニング。
5月2日日曜日。レース当日。5:30に起床。6:00に家を出て、その数分後には会場に着く。会場についたのは6:15頃。近いなぁ。地元の利。会場はYAMAHAのテストコース。コースについては後に詳しく案内しよう。6:30〜7:30に試走の時間が設けられている。ゆっくりとデジカメを持って撮影しながら2周する。

7:45より開会式。なんだか、こう、盛り上がりに欠ける開会式だった。

8:00からペア・タイム・トライアル・スタート。このように二列になってペアでスタートする。ペアの二人目のタイムがそのペアのタイムとなるので、片方を犠牲にして、途中まで引っ張らせて、その後エースがタイムを稼ぐという戦略はとれない(んだろうなぁ)。ロードレーサーにつづきマウンテンバイクもある。

8:50からビギナーのスプリントレース。2周で行う。私がエントリーしたのはこの後のオープンクラスなのでそろそろスタート地点に向かう。次のオープンカテゴリーのスタート地点を確定(早いもの順なんだ)したときにビギナークラスはちょうど後一周のジャンがはいった。そして、最後の一人の前で振られるチェッカーフラグ。そう、先頭から5分以上遅れた選手は失格となりその時点でレースは終了となる。ビギナーの失格者はその一人だけだった(と思う)。

そしていよいよ本番のオープンクラス。時刻は予定の9:10よりはやや遅れ気味の9:15頃。私は控えめに後ろの方に位置を占めたつもりだったが、私より遅く並んだ人も多く、全体の2/3の位置に位置どることになった。前も後ろも左も右も人が数10センチの間隔で並ぶ。これはプレッシャーだよ。私はこういうレースは初めて。よーいドンでみんなが一斉に走りはじめたらどうなるんだろう。巧いことビィンディングにクリートがはまってくれればいいけど、これは成功率2/3程度だからな、運悪く手間取ったらどうしようと並ぶ順位を下げることすら考えた。
9:20、レーススタート。幸いそこまでハードなスタートは要求されず号砲とともに前方から徐々に動き出す。
一方、私を誘ったお人もエントリーしたのはオープンクラス。なにせ、ロードレーサーに乗りはじめたのが昨年の夏という正真正銘のビギナー。私と違いちゃんと練習を積んでいるので内心自信を持っている。大胆にも一列目を確保。号砲一発、飛び出した彼は、ふと左右を見渡すと誰もいない。なんだい、こんなもんなんだと思った彼は、すぐにその誤りを知ることになる。じっくりと坂に取り組もうとしたとたん、左右からドォッと抜かれる。のみならず、後ろから「うぉらっ、遅いぞ」という罵声を浴びせられる始末。まぁ罵声を浴びせた方の気持ちもわかる。彼らは飛び出した彼をみて、あぁ、彼に引っ張ってもらおうと思ったに違いない。ところが、意外に遅い。いや、遅すぎる。引っ張ってもらおうとした当てが外れるし、ロードレースに書ける意気込みというのも相当あったろう。そういうわけであれよあれよと順位を落とす。また最初がのっけから上り坂というのもなんだかなのコース設定。これが長いんだ。1kmほど上りようやく頂上へ。このコース内での一番高いポイントとなる。これからはしばらく下り。抜かれまくった上りと違い、下りではまだ勝負になる。事実何人か下りでは抜き返すが、また上りが出てくるとそこで抜かれるの繰り返し。まぁそういうレースとなった。何も知らない頃は皆がきつい上り坂で抜いて、下りは力をためるというレースプランを立てていたそうだが、全く逆の展開となり、自分のレベルを思い知ることになった。それでも、先頭集団の中というか後ろに食らいついている。
一方私といえば、その1kmの上りであっけなく最後尾グループまで順位を落とす。 気が付くとフロントギアはアウターになっている。これはきつい。

上り坂のなかほど。抜いていく人は、あっさりと抜いていく。ベースとなる速度が違いすぎる。

ようやく1kmほどの上りが終わり、本来ならここでフロントギアをアウターにする。2周目からはそうした。下っている。上りが終わったという安心感でこれから飛ばそうという気にはなれない。

どんどん下る。しかし、上りで疲れているせいかケイデンスはなかなか上昇しない。どうしても早め早めのシフトアップになる。

ぐるっと左に曲がっている。150Rと名前がついている。

また左に曲がる。100R。

100Rからつぎの200Rへの途中。フラットかやや上りなのかちょっと足が止まる。

その後さらに下る。高速S字と名前がついている。この映像では左に曲がっていることがわかるだろう。そしてちょっと進んだ次の映像では右へのカーブになっている。自転車のコースは本来の自動車のコースとは逆回りになるのだが、確かにここは一番速度が出るところだ。私でも時速50kmは出ている。トップグループなら当然60kmは出るだろうな。

そしてここが最高速の出る地点。ただし、ここからまた上りになる。右端に吹き流しが見えるだろう。向かい風になっている。上りに備えてフロントをインナーに落とす。

メインストレート前後の上りが印象的だったけど、ここも結構上りになっている。いや傾斜度からいうとこちらの方が急かもしれない。だから逆回りの自動車ではこのあとのS字で高速になるのかもしれない。

坂が急なため、ダンシングで上る人が多い。私もやってみたけど、2、3回でやめた。後で聞くと使う筋肉が違うからダンシングで筋肉を休めているんだと。私はツール・ド・フランスの山岳ステージでもなし、この程度の上り坂でダンシングなんて大げさだと思っていたんだけど、そういう考えもあるんだなというか、そう考えなければいけないよね、早く走るんならば。

カメラの向きが下向きになったため上りに見えるかもしれないけど、短いけど急な登りは終わり緩やかに右に回っている。450R。フロントギアをまたアウターにする。この左側にはさっき上ったストレートがある。ぐるっと回って反対方向に進んでいる。

450Rの終わり付近。先の選手が落ち込んで見えることからわかるように、下りになっている。

プログラムにあるコース図には上りと書いてあるけど下りの100R。ここも結構下っている。

ぐるりと左に曲がっている。高速コーナー。

左コーナーを曲がり終えたら、いっちょまえに立体交差が見えてくる。上の方を通っているのは先ほど上ったストレート。この立体交差の下で落車事故発生。ちょうどここでは立体交差をくぐった後に右から突風が吹き付けるようになっている。先頭集団についていった相方の証言を聞こう。高速コーナーを曲がって集団の中で走っていた。すると何となくスピードが落ちてくるのを感じた。嫌な予感がしたので私もスピードを緩めたら、前で落車事故が発生していた。あわててよける。ゴムのこげるにおい、「痛いよぉ」とうずくまる負傷者。かろうじて巻き込まれずにすんだ。
私が通過したときも人が一人倒れたままで、コース脇には巻き添えを食らったのか、あるいはチームメイトなのか何人かいる。

立体交差の先にあるのはヘアピン。なんだか鈴鹿のデグナー〜立体交差〜ヘアピンという流れを思い出す。向きは逆で鈴鹿なら右、左と曲がるけど、このコースでは左、右と曲がる。ヘアピンに進入する前にギアをふたつほど落としておく。

このヘアピンが結構きつくって、視線をかなり意識的に前に持っていかないとすぐに外に膨らんでしまう。

ちょっと角度を変えてヘアピンをみてみた。ね、結構きついでしょ。

それで、ヘアピンからの立ち上がり。ちょっとした上りになっているけど、フロントギアはアウターのまま押していける。

わずかながらの上り勾配。左に曲がっている。80R。この先右に曲がっている。

この右カーブも80R。さっきの左80RとあわせてS字となっている。この80Rは管制塔に一番近い地点で、ギャラリーも多い。それものんびりとみている。

次は左に曲がる100R。ここはわずかな下り。まぁほとんどフラットといっていいだろう。

100Rを抜けた後は、しばらくストレート。ここはストレートの入り口。右側は第2駐車場。その一番後ろの方、つまりこの映像の先っぽの方に私たちのベースキャンプがある。

ストレートの中ほどから次の左への250Rが見えてくる。私たちの応援団・・・といってもひとりとやるきのないふたりだけだけど・・・はこの正面付近に陣取っている。手を振りたいけど、余裕なし。

250Rから100Rと左、左と曲がり、その先に70R、50Rが見えてくる。その先もぐるっと回っていて、ついている名前がスプーンカーブ。

スプーンの中ほど。ここまで先ほど通過した管制塔近くからずっと下っている。

そろそろ上りになる。

ここでフロントギアをインナーに落とす。ちょっと早いけど。

だらだらとした上り坂。ヘアピンの後の上りよりややきつい。

メインストレート。ほぼフラット。スタート/フィニッシュラインのすぐ後に例の上りがあるので、フロントギアはインナーのまま走る。私たちのベースキャンプは既に後にしている。

そして、ようやく1周となる。時間にして10'40"。早い人は7〜8分で走るんだろうな。

さて2周目にはいる。オープンクラスは全部で4周する。高速S字の付近で何人かに抜かれる。ヘアピンでふと後ろを見ると、白い軽トラックが着いてくる。移動審判車は普通のセダンタイプの車なんだけど、一番後方についてくる車は軽トラックなんだね。ただ、このときは自分が一番後ろにいるということは思い至らなかった。疲れていたんだろうね。思えば、私を抜いた人たちも、軽トラックに追いつかれ、最後尾になったことを悟って、あわててダッシュしたんだろう。
ひたひたと迫りくる軽トラ(笑)。このときにはこの存在をすっかり忘れていた。この期に及んでも、ひょっとして4周は無理かもしれないなぁと考えてた。まぁいいか、きついから3周だけでやめられるのだからそれもいいかな。なんて考えつつペダルをこぐ。

後ろの軽トラに後押車に書いている(んだよ、見えないかもしれないけど)のが泣ける。もちろん全然意識していない。後2周、後2周とただそれだけを考えてペダルをこいでいた先に見えたのは、チェッカーフラグ。あぁ、失格になったのね。とたんにやる気をなくして、スローダウン。チェッカーを受けてのんびりとコースサイドに寄ったら、その横を集団で走り去るトップグループ。なるほどね、失格になるはずだわ。

さて、厚かましくも先頭に位置どって、当然のようにずるずると後退した我が相方は失格になることもなく無事に残りの2周を走り終えた。さすがだ。レースを終えての感想は、とにかくエンジン、エンジンを鍛えなくちゃ。来年はトップグループについていくことが目標だそうだ。私?・・・ビギナーにランクダウンしようかな

エンデューロ編 ...